神事の前に唱える言霊を書き写し、心を整える
写典(しゃてん)×日本茶のイベントが5月13日、“湯島”の名で親しまれる湯島天満宮(東京・文京区)にて開催されました。これは神社と沈殿抽出式ティードリッパー「刻音(ときね)」(株式会社吉村)とのコラボイベントです。
神職 ※1が参拝者の願いを神様に伝え、祈念する「祝詞(のりと)」。刻音で淹れた日本茶を飲みながら、祝詞のひとつである「祓詞(はらえのことば)」を書き写すことで、マインドフルネスを体験します。
お寺などで仏教経典を書き写すことを「写経(しゃきょう)」と呼びますが、これに対し「写典(しゃてん)」とは、神職が唱える祓詞(はらえのことば)を書き写すことを指します。
※1 神職:一般的に神主(かんぬし)とも呼ばれます。神事や神社の運営に携わり、職階は宮司が最高位で、禰宜(ねぎ)、権禰宜(ごんねぎ)の順に定められています。
「祝詞の一種である祓詞は、神職が神事(しんじ)※2を行う前に必ず唱える言霊 ※3です。この祓詞を受けることによって心身についた罪穢れ(つみけがれ)を祓(はら)い、そこではじめて神様の前に立つことができます」と説明するのは湯島天満宮・権宮司の押見 匡純(おしみ まさずみ)さん。祓詞を一文字一文字丁寧に書き写すことによって無心になり、やがて心が整っていきます。
※2 神事:神前での祈りなどの儀式
※3 言霊:発した言葉に宿る霊的な力のこと
テクニックいらずでおいしく淹れられる茶器「刻音」
刻音を販売する株式会社吉村の橋本隆生さんからは、日本茶のお話とティードリッパー「刻音」の紹介がありました。刻音の特徴は3つ。「まず1つ目は“お茶本来のおいしさ(香り・旨み・渋み)を誰でも簡単に引き出せる茶器”であること。急須は淹れる人の技術に左右されますが、刻音の場合はレバーを引くだけなので技術はいりません。
2つ目は”現代のライフスタイルに合う茶器”であること。刻音はガラスと半磁器を使用しています。お茶の風味を保つために金属は一切使っていません。フィルターに網目がないので洗いやすく、食洗機も使用可能です。
3つ目は“お茶を淹れることが楽しみになる茶器”。抽出されたお茶はガラス容器に注がれ、緑茶の鮮やかな色が楽しめます。しずくが落ちる音にも耳を澄ませてください。刻音は、この3つの要素を兼ね備えた茶器なのです」。
お茶は静岡県産の玉露と、煎茶は福岡県の八女茶。刻音は「沈殿抽出式ティードリップ」という方法で淹れる茶器で、本体に茶葉がしっかり開く空間があり、ドリップすることで抽出中に茶葉を揺らさずお茶のおいしい成分を抽出することができます。
カフェインとテアニンのW作用でリフレッシュ
ガラス越しに透き通って見えるお茶の美しい“すい色”、ポチャンポチャン……としずくが落ちる音。お茶で癒やされながら、写典を書き写していきます。
「日本茶には覚醒作用のあるカフェインと癒し効果のあるテアニンが入っており、集中しながらリラックスできます。写典と日本茶は、今この瞬間に集中しリラックスできる、マインドフルネスと言っていいでしょう」と橋本さん。
筆を使い、祓詞を一字一字ゆっくり書き写すこと約30分。日本茶のリラックス効果のおかげか呼吸が整い、写し終えたときにはとてもすがすがしい気持ちになりました。
誰もが多くのストレスを抱える今、心が安らかになる時間は大切。心身ともにリフレッシュするマインドフルネス体験でした。
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