茶のプロの推し:お濃茶テリーヌ(TREEE’S KYOTO)
ソムリエの視点でワインをテイスティングするように、抹茶の香りや味わい、風味や品種などを立体的に分析する。それがソムリエエクセレンス兼パティシエである木村慎助さんが手掛けるオーガニック抹茶スイーツブランド「TREEE’S KYOTO」。世界中で抹茶ブームが広がる中、グローバル展開を見据え、お茶処の宇治でも希少なオーガニック抹茶にこだわった商品づくりをしています。
まだ抹茶テリーヌが珍しかった頃、ソムリエの味覚と嗅覚の分析能力を駆使しながら、抹茶の魅力を最大限に表現出来るスイーツとして、厳選した原材料と配合で完成させたのが「お濃茶テリーヌ」です。開発に2年かけてたどり着いた抹茶が主役の逸品です。
テリーヌに使用している品種は“おくみどり”。「テリーヌにふさわしい抹茶を探すのではなく、“おくみどり”を最大限表現できるスイーツがテリーヌだった」とのこと。シングルオリジン(単一品種)抹茶にこだわるTREEE’Sならではの発想です。品種由来の、色鮮やかで重厚感のある青緑色がテリーヌの高級感を演出します。
今回の逸品を推薦してくれたのは
多田さんの推しポイント
TREEE’Sの木村さんと出会ったのは京都インターナショナル・ギフト・ショーでした。お話できた時間は決して長いとは言えませんが、その内容があまりにも鮮烈で強く記憶に残っています。繊細な嗅覚や味覚はもとよりその言語化と設計力が極めて高く、お話を聞いているだけで、抹茶スイーツを食べている感覚になれたのを覚えています。
「お濃茶テリーヌ」は、上質で濃厚な生チョコを食べている感覚。口に含むと抹茶の香りが広がり、なめらかに溶け出します。口溶けの良さが心地よく、抹茶のほろ苦さとチョコレートのほのかな甘味が解けるように広がります。雑味が一切なく、多層で濃厚な味わいが広がったあとに香りの余韻を楽しめる、大人のご褒美スイーツです。
今回の逸品を開発したのは
抹茶に本気で向き合ってつくったテリーヌを選んでいただき、ありがとうございます。僕達の抹茶スイーツは抹茶が一番の主役であり、抹茶を最大限表現するスイーツ作りが僕らのテーマです。
体にも優しいオーガニック抹茶は、色や風味において発展途上な面はあります。ただ、その個性を理解し、スイーツの材料として絶妙な配合、温度、タイミングを計算した上で副素材と合わせることで、抹茶単体では味わえなかった気品ある高貴な香り、深み、味わいの広がり、そして長い余韻を表現できると思っています。
オーガニック宇治抹茶、同じ宇治産の平飼い卵、フランス産最高峰クーベルチュール、北海道産バター、きび砂糖だけでシンプルにつくっているだけに、素材は厳選しました。抹茶をふんだんに入れる方向性もひとつの個性ですが、僕らは濃厚の先に広がる雑味のない透明感のある深い味わいを目指し、抹茶と副素材が共鳴する瞬間を感じながら、互いに素材の良さを引き出すイメージで配合しています。素材どうしが共鳴すると、きらきらと生地が輝く瞬間があるのですが、それが生地が繋がる乳化のタイミングです。
また、一度決めた配合でもその日の気温や湿度、季節によって製造の際には繊細な微調整が必要です。自分のソムリエエクセレンス兼パティシエとしての知見を発揮し、一年を通してクオリティを保っています。
TREEE’Sは各スイーツごとに使用する抹茶の品種が異なり、テリーヌには“おくみどり”を使用しています。この品種の魅力をダイレクトに感じられるようテリーヌとして仕上げておりますので、お客さまにも感じていただけたら嬉しいです。
テリーヌは温度帯によって食感や味わいの広がりが非常に変化しやすいスイーツです。冷凍状態だとアイスケーキのように召し上がれますし、温度が上がってくるにつれて滑らかな食感に変わり、抹茶の風味が一番強く感じられます。お好みの食感と風味を探しながらお楽しみください。
次回は、TREEE’S・木村さんの推しの逸品をご紹介します。素材の魅力を引き出すプロである木村さんがおすすめするお取り寄せとは?お楽しみに。