抹茶インフルエンサー
が語る、
おいしい楽しい抹茶の世界

抹茶インフルエンサー
が語る、
おいしい楽しい抹茶の世界

日本だけでなく世界的な広がりをみせる抹茶ブーム。昨今では商品のバリエーションも豊富で、高級スイーツ店からコンビニ、さらには日本茶カフェプロデュースの逸品まで多くの商品が登場しています。今回はそんな“抹茶の魅力”に迫るべく、抹茶インフルエンサーとして人気を誇るふたりの対談を開催。数々の抹茶メニューを味わってきたふたりが厳選したスイーツとともに、人々を惹きつける抹茶の魅力について聞きました。


【プロフィール】
(左)抹茶_紋 さん ( @matcha_aya )
抹茶を愛する女子大学生。中学・高校時代は茶道部に所属し、日本茶歴10年目。これまでに抹茶カフェ800店以上を巡り、年間1,000点以上の抹茶スイーツを制覇。インスタグラムで抹茶カフェ情報や抹茶のお菓子レシピを配信し、NHK「沼にハマってきいてみた」の抹茶特集に出演。同世代の抹茶好きをファンに持ち、フォロワー数は2.4万人。

(右)そのまっちゃ さん  ( @sono.matcha )
抹茶好きの抹女(まっじょ)。2年半前に京都で抹茶スイーツを食べて抹茶にはまり、抹茶インスタグラマーとして活動開始。これまで抹茶カフェ300店以上を訪れ、抹茶グルメ1,000食以上を制覇し、テレビ朝日「スーパーJチャンネル」にも出演。国内外にファンを持ち、フォロワー数は3万人。

 

―おふたりはどんなきっかけで抹茶に興味をもったのですか?

抹茶_紋さん「中学・高校と茶道部に所属し、もともとお茶好きだったのですが、大きなきっかけは4年前の京都旅行で出会った『京都マールブランシュ』の抹茶菓子“生茶の菓”です。口に入れた瞬間、体温でとろける食感と口全体に広がる抹茶のうまみ、鼻に抜ける抹茶の香りにとても感動しました。それ以降、おいしい抹茶スイーツをリサーチするようになりました」

そのまっちゃさん「私も実は、京都旅行がきっかけです。昔から抹茶アイスや抹茶フラペチーノなど、抹茶フレーバーが好きなのですが、2年半前、京都・嵐山にあるカフェ『嵐山おぶう』で食べた濃茶パフェが、鮮やかな緑色でとてもおいしかったんです。余計な甘さを加えてなくて、抹茶本来の風味とミルクの味わいが際立っていました。

そこで、東京にもおいしい抹茶スイーツがあるんじゃないかと、探して訪れたのが西荻窪のカフェ『Satén japanese tea』。抹茶プリンのあまりのおいしさに衝撃を受けました。それで東京でしか食べられない抹茶スイーツがあるはず、とカフェ巡りをはじめてハマっていった感じですね」

 

―おふたりはインフルエンサーとして活躍されていますが、普段はどんな情報を発信していますか?

抹茶_紋さん「スイーツがメインで、コロナ禍の今はお取り寄せ情報が多いですね。今だからこそお店を応援したいという想いもあり、積極的にオンラインショップを利用しています。お店選びはネットで情報収集したり、フォロワーの方から教えていただいたり。自分で作った抹茶スイーツのレシピも公開しています」

そのまっちゃさん「私もスイーツがメインで、カフェとお取り寄せと、コンビニスイーツを紹介しています。インスタの『#抹茶スイーツ』で検索するとたくさんの情報が出て来るので、そのなかから選ぶことも多いです。今はいろいろな抹茶スイーツがたくさんあって、全ては食べきれないので、そのなかからこれは、と思うものを選んで、率直な感想を書くようにしています。選ぶ時には色も重要です。生菓子の場合、良い品質の抹茶を使用していると色は深緑、黒や青が混じったような濃い緑の場合が多いです」

 

―おふたりにとって抹茶の魅力とはなんでしょうか? なぜ人を虜にすると思いますか?

抹茶_紋さん「私は理系の大学に通っていて、科学的な観点から抹茶を見ることが多いですが、抹茶は覚醒作用と心を落ち着かせる作用の両方を併せ持っているので、虜にするんだと思います。ただおいしいだけじゃなくて、香りやうまみの効果で気分をリセットすることもできるし、気合を入れたい時や落ち着きたい時にも効果的。生活に寄り添ってくれるものなんですよね」

そのまっちゃさん「私の場合、まずは色ですね。もともと緑色が好きで抹茶を好きになったのですが、見ているだけで落ち着く色だなぁと感じていて、抹茶もそういう魅力を持っていると思うんです。私のアカウントを見た人から『目によさそう』というコメントをいただいたこともあります。(笑)」

抹茶_紋さん「それから、生産地や作り手によって、味が変わるのもおもしろいです。例えば同じ宇治であっても山側の土壌と街側の土壌とでは味が違います。だからどんどん飲み比べしたくなるし、そうするとさらにハマっていく……、興味がつきない深い世界です(笑)。」

そのまっちゃさん「確かに。私は昔から歴史や物の名前にすごく魅かれるのですが、抹茶について調べていくと、その歴史や、“さみどり”や“あさひ”といったお茶の品種の名前がとても興味深いです。中国からお茶が伝わってきて当初は薬として扱われていたけれど、その後、千利休が茶道を確立させ……と、歴史やストーリーを調べれば調べるほど興味がわいてきます。たぶん一生かけても学びきれない壮大な世界で、それも大きな魅力ですね」

 

―今回の選ばれたお気に入りの抹茶スイーツについて教えてください。

抹茶_紋さん「私が選んだのは『八十八良葉舎』の“特濃抹茶テリーヌ”です。抹茶はスイーツに加工するのが難しいと言われているのですが、その完成度の高さに衝撃を受けたのがこの特濃抹茶テリーヌなんです。テリーヌというより抹茶そのものの濃い味わい。高品質の抹茶を贅沢に使えるのは、お茶屋さんならではです。香ばしさと抹茶のうま味を感じられる焙煎抹茶という特殊な抹茶を使っていて、コアな抹茶好きに向けて作っているこだわりの商品です」

八十八良葉舎「特濃抹茶テリーヌ」3,480円

そのまっちゃさん「私が選んだ『ななや』の“TEA CHOCOLATE MATCHA 7”の魅力はなんといっても食べ比べ! なんでも食べ比べると味の違いがよくわかって楽しいですよね。この商品は、抹茶含有量1.2%から29%まで7種の抹茶チョコとほうじ茶チョコ、計8種が各4個ずつ入っているので、家族や友達と食べ比べをすると盛り上がります。緑色のグラデーションもきれいで、なにより茶農家さんメイドで高品質な抹茶を使っているのでおいしい。さらにこれで1,000円という価格もお手頃です」

ななや「TEA CHOCOLATE MATCHA 7」1,080円(8種各4個入り)

 

―抹茶スイーツ以外に、抹茶をどのように楽しんでいますか?

抹茶_紋さん「日頃から抹茶を点てて飲みますし、自分で抹茶スイーツや抹茶餡を作ったりもしますね。アルバイト先の飲食店では、抹茶オレンジや抹茶マンゴーなど、フルーツを使った抹茶ドリンクを提供しているのですが、フルーツとの組み合わせもおいしくておすすめです。いろいろなスイーツやドリンクに使える、食材としての汎用性の高さも抹茶の魅力のひとつだと思います」

そのまっちゃさん「私も自宅で抹茶ラテを作りますし、仕事場では抹茶ラテの粉末を常備しています。 春夏は抹茶ソーダも好き。抹茶とソーダ水にレモンを加えると、すごくおいしいんです。ほかにも抹茶出汁茶漬けにしたり、お酒もよく飲むので、焼酎割にしたり。他のお酒と違って翌朝残らないのは抹茶の効果だと思います」

 

―おふたりは、おすすめの抹茶商品を紹介するだけでなく、碾茶をつくる茶園まで訪れているそうですね。なぜ茶園までいかれるのでしょうか?

そのまっちゃさん「実は、先ほどお話した『Satén japanese tea』さんを通じて知り合った京都の茶農家さんがいるのですが、京都に行くことをインスタにあげたら、その方が『うちの茶園にきませんか』と招待してくださったんです。そこで紋ちゃんを誘って足を運んだのが最初ですね。実際行ってみると、茶農家さんの生の声が聞けていろいろな知識を教えてもらえて、とても楽しかった。行きたい産地はたくさんあるのでこれから制覇していきたいです」

抹茶_紋さん「抹茶と一言で言っても、産地や作り手によって味が全く異なるのがおもしろくて、理系学生としては、どんな土壌でどんな肥料を使っているのか、チャノキはどんな土壌がいいのか、栽培方法による新芽の出来具合の違いなども興味があります。実際に足を運ぶと、抹茶が商品になるまでのいくつもの手作業や工程、茶農家さんの抹茶への想いもわかります。さらに抹茶愛が深まっていろいろな生産地を訪ねるようになりました。

 

―抹茶の人気は年々高まりつつありますが、おふたりはここ数年で「抹茶」を取り巻く環境は変わったと思いますか?

抹茶_紋さん「身近になった気がしますね。それから高品質な抹茶を使った商品が増えたと思います」

そのまっちゃさん「品質にこだわる企業も増えて、抹茶の色をキレイに出そう、本来の香りを表現しようという企業努力を感じられます。一方で、着色料や香料を多用する商品があるのも事実。そういった商品は袋を開けたとたんに化学的な香りがしますし、人工的な色なので、すぐわかってしまいます。だからこそ「これは!」というものを探すのが楽しいですね」

 

―おふたりのこれからの夢は?

抹茶_紋さん「抹茶は、そのまま飲むのはもちろん、焼菓子やアイス、料理にも使える懐の深い食材です。もっと身近な存在になってほしいというか、身近にしたい!という想いもあってインスタグラムで情報発信をしています。それから将来は、抹茶カフェを自分でプロデュースしたいです。さまざまな農家さんの抹茶や、理系的な情報も発信することで、多くの人に魅力を伝えていきたいです。その第一歩として今は、抹茶を扱う企業や商品開発に携われる企業を視野にいれて就職活動しています。」

そのまっちゃさん「抹茶の本当のおいしさを知らない人がまだ多くいると思うので、コーヒーみたいに、コンビニでも気軽に本物の抹茶や日本茶が飲める文化が定着すればいいなと思っています。私は教育関係の仕事をしているので、子どもたちに抹茶の歴史的な背景や茶農家さんの想いを伝えながら、食育的なアプローチもしていきたいですね」

 

【商品紹介】

◆抹茶_紋さん おすすめの逸品
八十八良葉舎「特濃抹茶テリーヌ」3,480円
140gのテリーヌに20gもの抹茶を使った、スイーツというより抹茶そのものを食べているような濃厚な味わい。抹茶本来の凝縮したうまみと、抹茶由来の、粘り気のある独特の食感も愉しい一品。5mmほどにスライスし、別添の焙煎抹茶をトッピングしていただく逸品。
https://8108kyoto.stores.jp/items/5e75d8009df1635fd10abad0

◆そのまっちゃさん おすすめの逸品
ななや「TEA CHOCOLATE MATCHA 7」1,080円(8種各4個入り)
抹茶の濃さが違う7種類のチョコレート(1.2%、1.9%、3.1%、5.1%、8.2%、13.3%、29.1%)と、ほうじ茶チョコレート(5.1%)の計8種類4個ずつのセット。香料などを使用せず、原料はカカオバターと乳と砂糖とお茶のみ。茶葉の香味を最大限にいかすよう乳成分を極力控えて手作りしている。
https://nanaya-matcha.com/?pid=113337997

写真・吉田浩樹 文・尾崎 美鈴