【動画公開】日本茶の未来を担う、同世代の茶商×生産者によるクロストーク 「2023年の日本茶」

【動画公開】日本茶の未来を担う、同世代の茶商×生産者によるクロストーク 「2023年の日本茶」

Re:leaf Record初のオンライントークイベント「【同世代の茶商・生産者に聞く】2023年の日本茶、どうなる? どうしたい?」の動画が公開されました。これからの日本茶業界を担う同世代の茶商・生産者4人が登壇し、今感じている市場の変化や今後目指すべき日本茶の在り方をそれぞれの視点から熱く語ります!

イベント趣旨は「立場の異なる現場の声を交え、過渡期を迎えた日本茶の未来を考える」こと

3月に初開催したRe:leaf Recordのオンライントークイベント「【同世代の茶商・生産者に聞く】2023年の日本茶、どうなる?どうしたい?」の動画が、公式YouTubeにて公開されました!

 

 

コロナ禍を経て、人の流れや消費行動、日常の過ごし方が大きく変化した近年。その波は、日本茶業界にも新たな流れを吹き込みました。以前から続く消費量や生産者の減少に歯止めがかからない一方で、安らぎ・おいしさ・多様性など日本茶がもたらす豊かさがあらためて見直され、暮らしに日本茶を取り入れる人は増加傾向に。デザイン性や手軽さを重視したユニークなプロダクトが数多く開発されるなど、まさに日本茶は今、復活へ、そしてさらなる進化へと歩みを進める過渡期に来ています。

そんな日本茶の現実を、現役の茶師たちはどう捉え、またどんな未来を描いているのでしょう。本イベントでは、それぞれ異なる地域で異なる商いをする30・40代の同世代の茶商・生産者4名を登壇者に迎え、コロナ禍を含むこの5年を振り返りながら、2023年以降のビジョンや今後の日本茶業界が目指すべき道について本音で語っていただきました。

 

<トークテーマ>

●日本茶業界の流れ ーこの5年を振り返ってー
・登壇者の最新動向
・お客様層や購入場所、日本茶の楽しまれ方に変化あり?

●2023年、どうなる?どうしたい?
・日本茶業界の変化
・登壇者のこれからのビジョン

 

茶商か生産者か、消費地か生産地か、都心型か郊外型かなど、立場や環境が違えば課題に対する視点や経営戦略はさまざまです。その中でも見えた共通のキーワードは「価値の、創造と向上」。有機栽培、粉末茶、メンタルケア、プロとしての淹れ手、独自性、地域産業、食とのマリアージュ……、茶葉単体としての商品価値だけでなく、日本茶を取り巻くトータルのブランド力を高め「好循環を生むこと」こそ、文化・産業として日本茶が受け継がれていくための鍵になると語ります。

果たして、その真意とは? 普段、あまり意見交換をすることがないという茶商と生産者たちが、互いの立場から熱いクロストークを繰り広げました!

 

登壇者プロフィール

※茶商→生産者 五十音順

◆多田 雅典氏(茶通仙 多田製茶)

大阪府枚方市で160年以上の歴史を持つ老舗製茶問屋「茶通仙 多田製茶」7代目。大学卒業後、東京のマーケティング会社での勤務を経て2017年に家業へ。 飲食店のみならず、ホテルや各種アーティストなど他業種と積極的に協業し、オリジナル商品の開発やブランドプロデュースなどを行う。人気商品に「お茶香ル カヌレ」。辻調理師専門学校で専任講師も務める。

(イベントでのコメント抜粋)
「“お茶を淹れる”という行為には、クリエイティビティが詰まっています。どんな茶葉を選び、どんなシーン・空間で、どのような演出とサービスで提供するのか。レストランでソムリエが選んでくれるワインを味わうのと同じように、まさに体験全体が価値になる。お茶の専門家としてフォローしていきたい」

 

◆平岡 佑太氏 (平岡商店)

静岡県静岡市の製茶問屋「平岡商店」3代目。静岡県の山あいの茶産地・ 玉川地区のお茶をメインに取り扱う。業種を問わず、幅広い業界へ日本茶のOEMを提案し新規開拓に取り組むほか、ドイツやイタリアなどへの輸出にも注力。コロナ禍真っ只中の2020年4月には、摘みたての一番茶を丸ごと使った粉末茶ブランド「annon」をリリース。

(イベントでのコメント抜粋)
「自社で立ち上げた一番茶の粉末茶ブランド『annnon』は、おいしさはもちろん、茶殻が出ない手軽さやアレンジしやすい汎用性でも支持を得ています。製茶問屋から始まった弊社ですが、今は茶の栽培も始めました。販路を確保し適正な価格で販売することができれば、茶農家に利益をもたらす仕組みはつくれるはずです」

 

◆奥富 雅浩氏 (奥富園)

埼玉県狭山市で江戸時代初期から続く生産農家「奥富園」15代目。手摘みによる高級煎茶から本格的な深蒸し煎茶、「食のオスカー」と称される英国のグレイト・テイスト・アワードで入賞した紅茶などを製造する一方で、“日本一(女性に)モテるお茶屋”を目指し日夜奮闘中。 日本茶インストラクター、手揉み茶教師。 趣味はギターとクラフトビール。自称・平和主義者。

(イベントでのコメント抜粋)
「何かを伝えるのは結局、人です。小売店、淹れ手、そしてもっとも身近な“産地で暮らす人”もその一端を担うひとりだと思っています。だからこそ地元の人が誇りに思えるような、ここでしか味わえないおいしさや体験をつくらなければいけない。愛着がわけば地域内での消費循環が生まれるのはもちろん、外にも自然と広めてくれると思うんです」

 

◆富澤 堅仁氏 (お茶の富澤。)

熊本県上益城郡で茶の栽培・加工製造・販売を行う「お茶の富澤。」4代目。生活の中に日本茶があることの魅力や価値を、さまざまな形で発信。製茶工場のすぐそばではイートインスペースを備えた日本茶専門店「Greentea.Lab」も手がける。自社の茶葉を使用したスイーツやそば、熊本の郷土料理・だご汁、アレンジドリンクにお酒など、豊富なメニューに定評がある。

(イベントでのコメント抜粋)
「2025年には富澤全園で有機認証が得られる予定です。お茶はもう大量に安く売る時代ではありません。誰に、どんな価値をつけて売るのか。それを明確にして必要な技術や情報をそろえる。有機はそのごく一部にすぎませんが、たとえば1杯5,000円でも価値を感じてくれる人がいれば、農家は潤い後継者が生まれます。それを証明したい」

 

◆モデレーター/小山和裕

株式会社抽出舎代表、Re: leaf Record代表。100年続く老舗お茶屋のカフェや、日本茶カフェの代表格「表参道 茶茶の間」で日本茶を学んだのち、2018年に東京都・西荻窪に「Satén japanese tea」をオープン。“日常に溶け込み、気づきのあるカフェ”を目指し、さまざまな世界へつながりを紡いでいくことを信条とする。

 

動画は公式YouTubeで公開中! 参加者からの素朴な疑問にも答えていただきました

動画全編では、それぞれが考える「日本茶の価値を高める」ための具体的な構想を公開! また、イベント参加者から寄せられた質問にも答えていただきました。ぜひ、おいしい日本茶を用意してご覧ください。

Re:leaf Record Youtube :http://bit.ly/3lQgnDt

文・RIN