茶のプロの推し:濃い抹茶 香碧ジェラート(日本茶とデザート かめうさぎ)
「日本茶とジェラート かめうさぎ」は、宇治の茶商・利招園茶舗の直営店。毎日お店の工房で仕込んでいるジェラートを、お取り寄せでも味わうことができます。
「濃い抹茶 香碧(こうへき)ジェラート」は宇治市内産の“手摘み抹茶”を100%使用。手摘みにこだわるのは機械刈りにはない風味の分厚さがあるためです。
飲んで美味しいお茶がそのまま美味しいジェラートになるわけではないのが、ジェラートづくりの難しくも奥深い点。ジェラートにした状態で理想の味になるよう、手摘みの中でも旨味ではなく鼻に抜ける風味の強さが特徴の「やぶきた」を軸に、香気の良い「あさひ」と、和らげ役として「さみどり」をブレンドしています。
宇治抹茶の香味の良さを活かすため、生クリームと砂糖は控えめ。ミルクは渋味や苦味をほどよく消し、旨味をプラス。濃いけれども苦くない、大人はもちろんお子さんや海外の方までが “本当の抹茶” を味わえるジェラートが生まれました。
今回の逸品を推薦してくれたのは
木村さんの推しポイント
利招園茶舗の利田さんは、お抹茶の仕入れを通じてご縁をいただきました。運営されているジェラート店「かめうさぎ」も以前からインスタなどで拝見していました。
お抹茶には沢山の種類がありますが、利田さんはそれぞれのお抹茶がなぜこのような味わい、風味になるのかを、産地や品種の違いだけではなく、地質や気候、生産地の特徴まで遡り、茶葉の摘み方から製茶工程など生産背景も理解した上で販売されています。お抹茶の特徴を熟知したお茶のスペシャリストです。
「濃い抹茶 香碧ジェラート」は、口に含むと鼻に抜ける香り高いお抹茶の風味がダイレクトに感じられ、上質と一口でわかる逸品。舌上で溶かすようにいただくと手摘み由来の雑味のないすっきりとした味わいの中に、心地よい渋みと深い余韻が絶妙なバランスで楽しめます。繊細なお抹茶本来の風味を感じる、まさに「お茶のプロが本気でつくったジェラート」です。
今回の逸品を開発したのは
インバウンドや翌年に控えた東京オリンピックの影響で、上級茶の値段が高かった2019年。市場の入札で上級品をことごとく買いそびれ、普段はあまり買うことのない煎茶用品種「やぶきた」の手摘み碾茶を買いました。
毎年一定クラス以上の碾茶は単品で挽いて研究をしていたので、やぶきたも挽いて飲んでみたところ、旨味こそ少ないものの抜群の香気がありました。「流石、煎茶の王道品種!なにか活かす方法は無いのか」と思っていたタイミングで出会ったのがジェラート。「これは自分でやらなければ実現しない」と一念発起し、ジェラートについては独学で研究を重ね、「日本茶とデザート かめうさぎ」を立ち上げました。
アイスクリームやソフトクリームではなく、ジェラートを選んだのは素材に対するこだわりがあったから。ジェラートは低脂肪で空気含有量が少ないのでヘルシーなのに濃密。素材の味を存分に感じるに最適なパレットです。
茶商として碾茶の買付、仕上げ加工、石臼挽きするところから、ミルクベースを毎朝調合し、殺菌、フリージングするまでの全てを自社の工房で行っています。
「手摘み」や「宇治市内産」という謳い文句ではなく、茶葉の特性や生産方法、スイーツへの応用まで深く理解した上でお茶屋ならではの工夫と計算により作り上げたジェラートです。
次回は、利招園茶舗・利田さんが推す逸品をご紹介します。茶商としてあらゆる茶の特徴を熟知する利田さんがおすすめするお取り寄せとは? お楽しみに。